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大池自然再生日記1・2・3月号

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年3月26日更新 ページID:0414242

令和8年3月1日、8日、15日

3月1日 ミズアオイ湿地のお手入れイベント と浅場の落葉かき

 3月に入り湿地管理も大詰めです。早くしないと春がきて、植物の新芽が出てしまいます。この日のイベントでは絶滅危惧種のミズアオイが再生した保全活動です。最近、ミズアオイの生育がかんばしくないのですが、主な理由はオンブバッタに食べられてしまうことです。しかし、そもそもの芽生える株数がピーク時よりも減っているようなことも影響しているようです。ミズアオイが芽生えるところを観察していると、湿地のなかで湧水が流れるところの近くに出ている傾向です。そこで、湧水の流れを湿地全体にいきわたらせることにしました。何をするかというと、とにかく泥を掘ります!上尾水辺守やイベント参加者の皆さんの御協力のおかげで、湿地内にたくさんの水路ができました。来年のミズアオイの生育に期待です。

湿地の草刈り 湿地の泥掘り
最初は湿地を覆っている草を刈り取ります(左)、あとはひたすら泥を掘って、水の流れをつくります(右)

泥はとなりの湿地にまきだします 作業後の湿地
泥は隣の湿地に撒きだします。もしかしたらそこでもミズアオイが再生するかも!(左)、完成したミズアオイ湿地(右)​

集合写真
参加したみんなで集合写真

 午後は上尾水辺守の皆さんと浅場の落葉かきをしました。浅場の前にクヌギが1本あります。1本と思いきや、落葉の量はぼちぼちありましたが、みんなで協力して保全作業を行いました。

浅場の落葉かき 作業後の浅場
浅場の落葉かきの様子(右)、表土が出るぐらいまで落葉を減らしました(左)

3月8日 伐採木を粗朶積みにしました

 この日は、以前に伐採した樹木の処理作業です。今までは伐採した樹木は湿地の外に持って行っていましたが、作業が進むにつれて運搬距離がどんどん長くなります。外に出した樹木は処分するしかないので、この樹木を生物のすみかとして活用できる試験的な取り組みを始めました。伐採木は細かく切って、湿地の近くの斜面林内に粗朶積みにしました。こうすることで、もしかしたらこれが昆虫のすみかになるかもしれません。皆さんお疲れさまでした!

作業の様子 中学生も参加してくれました
積みやすくするように、伐採した樹木の枝を分解します(左)、活動に大谷中学校の生徒の皆さんが参加してくれました(右)

枝の運搬 粗朶積み
積み場所まで分解した枝を運びます(左)、粗朶積みの様子(右)

3月15日 今年度最後市民参加型イベント「みんなで水辺守 湿地のお手入れ編」

 今年度では最後の市民参加型イベントを開催しました。湿地管理も大詰めです。絶滅危惧種のニホンアカガエルはこの時期に卵を産みます。雨も降った後で、カエルが産卵してそうな頃合いを見て、園内の卵塊調査をしたところで、31個も見つかりました。そこで、今回のイベントのテーマは、ニホンアカガエルが産卵しそうな水たまりをもっと増やそう!です。ニホンアカガエルは林に近い湿地の浅い水たまりに卵を産みます。イベントに参加していただいた皆さんと実際に産みたてほやほやの卵塊を確認して、その特徴を理解してから作業を始めました。みんなで泥んこになりながら、浅い水たまりをたくさん掘っていただきました。ニホンアカガエルのさらなる産卵に期待です!
 皆さんに掘っていいただいた泥は、今年度、新しく造った浅場に撒きだします。泥に含まれている埋土種子から希少種が再生する可能性もありますので、こちらも期待です。

イベントの様子 作業後の湿地
イベントの様子と作業後の湿地

3月に園内で確認された野鳥たち

 大池の天日干しも完了して、水を貯め始めているこの時期にコサギとコガモが確認されました。どちらも埼玉県では絶滅危惧種になります。コガモは12月にも園内で確認されましたが、それ以来の確認になります。まだ水深の浅い大池で盛んに口を水の中に入れて餌を探していたようです。水深が浅いほうが餌を探しやすいのかもしれません。コガモにとってはこの公園が渡りの中継地点になっていると考えられます。

大池のコガモ 再生湿地のコサギ
大池で確認されたコサギ(左)、シートはがしイベントで池から湿地に再生している場所で確認されたコサギ(右)

令和8年2月23日 浅場のお手入れ と みんなで水辺守 池底のシートはがし!編

 春を感じられる日が多くなってきました。この日は午前中は上尾水辺守の皆さんと浅場のお手入れをしました。立ち枯れした抽水植物の刈り取りと昨年整備した浅場にマコモの移植を行いました。これで、マコモなどの抽水植物群落が増えてくれれば、カイツブリなどの水鳥が営巣する場所や水生生物の隠れ場になったりします。カイツブリの営巣は大池の北側で頻繁に確認されていましたが、最近では南側でも確認され始めているので、このような地道な取り組みのおかげだと思います。

浅場の草刈りの様子 マコモの掘り取りの様子
浅場は枯れ草がなくなると、春の植物の芽生えが良くなるため、冬の間に枯れ草を刈り取ります(左)
マコモの1株は意外と大きくて掘り取るのが大変ですが、新しい浅場に抽水植物が生育するようにたくさん掘ってもらいました(右)

 午後は、市民参加型イベントの「みんなで水辺守 池底のシートはがし!編」です。このイベントは今年で3年目に突入です。約50年前に公園を整備した時に造った人工の池を多様な生物が集う湿地に再生するためのイベントです。人工の池の底にはシートが張られているので、みんなで力を合わせてとにかくこのシートをはがしまくります。おそらく、上尾丸山公園でしかやっていない!?奇抜なイベントですが、シートをはがした面積だけ、ネイチャーポジティブにつながります!ちなみに湿地に再生しても、水深がところどころ深い所もあるので、ギンブナやモツゴなどの池の時にもいたお魚もちゃんといます。
 シートはがしのベテラン上尾水辺守の皆さんと一般参加のボランティアの皆さんが協力して過去、最大面積のシートをはがすことに成功しました。シートが大きすぎて、残念ながら広げることができなかったほどです。皆さんお疲れさまでした。みんなの力を合わせて、都市公園でネイチャーポジティブをしています!

池底のシートをはがす様子 シートは息を合わせて引っ張ります
シートをはがすためには、重りや泥をどかすのも大切です(左)、シートをはがす時にはみんなで息を合わせて引っ張ります(右)

集合写真
はがしたシートをかこんで、参加した皆さんで集合写真

令和8年1月 湿地保全活動と野鳥情報

1月12日 湿地の火入れに向けた防火帯づくり

 久々の更新で1月の活動情報を一気出しです。この日は湿地保全を目的とした火入れのための防火帯づくりを上尾水辺守の皆さんに行っていただきました。ここは自然学習館の斜面林が近いため、いつもの防火帯よりも広めに整備してました。草刈り機を使ってもこれだけの広さの防火帯を整備するのはなかなか大変です。皆さんお疲れさまでした。

防火帯整備の様子 整備された防火帯 整備された防火帯
防火帯整備の様子。草刈り機で刈払った草は、熊手で火入れエリアにまとめます。

1月17日 みんなで水辺守 湿地のお手入れ編 と 冬鳥観察会

 この日は市民協働イベント「みんなで水辺守 湿地のお手入れ編」でした。増えすぎてしまった木は、落葉などの影響により湿地の乾燥化の原因になります。そこで今回は湿地周辺の樹木の伐採に取り組みました。切り倒した樹木は、軽トラックに積み込めるようにみんなで協力して細かくしました。長い時間お手入れがされていなかった湿地のため、樹木の量もそれなりにあります。これからも湿地の保全活動にみんなで取り組んでいきましょう!
 また、この日は上尾市環境推進協議会主催の冬鳥観察会も開催されました。上尾丸山公園では初めての開催ということで、普段のボランティアの皆さんの活動により、多様な野鳥が観察できるようになってきたということだと思います。野鳥観察の皆さんにも湿地保全活動の様子を見学していただきました。

増えすぎた木の伐採の様子 伐採木の解体の様子
樹木管理作業の様子

冬鳥観察会の皆さんの観察の様子 イベント参加者で集合写真
冬鳥観察会の皆さんの湿地保全活動の見学の様子(左)、イベント参加の皆さんで集合写真(右)

1月24日 湿地の火入れ と みんなで水辺守 湿地のお手入れ編

 この日は湿地保全を目的とした火入れを行いました。湿地の枯れ草をそのままにすると、堆積して陸地化の原因となってしまいます。湿地の火入れは陸地化を抑制する手法として、各地で行われています。近いところでは「三ツ又沼ビオトープ」や「サクラソウトラスト地」、県内でも天然記念物として有名な「田島カ原サクラソウ自生地」や熊谷市の「荒川大麻生公園」などで行われています。湿地に繁茂する大量の枯れ草を効率的に除去できることや希少植物の芽生えにつながる可能性があることがメリットとしてあげられます。上尾丸山公園では昨年に引き続き2年目となりますが、上尾水辺守の皆さんと協力して安全に火入れを行うことができました。
 午後は「みんなで水辺守 湿地のお手入れ編」です。焼きたてほやほやの湿地で、泥が堆積しているところの掘り取りと樹木管理作業の続きを行いました。それぞれ、希望する作業で楽しく保全活動に取り組んでいただきました。湿地の水たまりも増えて、これからどんな植物が芽生えて、どんな動物が集まってくるか楽しみです。

湿地の火入れ作業の様子 火入れ後の湿地の様子
湿地の火入れ作業(左)、火入れ後の湿地、昨年2日ががりで行った範囲を1日で完了しました(右)

湿地の泥の掘り取りの様子 樹木管理作業の様子
泥の掘り取りの様子、泥はソリに載せて湿地外に運びます(左)、樹木は搬出できるサイズに解体します(右)

イベント参加者で集合写真
イベント参加の皆さんで集合写真

1月に園内で確認された野鳥たち

 今回紹介する野鳥は、4種とも埼玉県では絶滅危惧種です。特にヒクイナは観察することが難しく、上尾丸山公園では以前から鳴き声は確認されていたものの、姿は確認できていませんでした。今回は上尾市自然学習館の自然観察指導員が撮影に成功しました。市民ボランティアの皆さんの活動によって、公園のいたるところに野生生物が生活しやすい場所ができている結果だと思います。野鳥を観察する際は、「エサをあげない」、「野鳥を驚かせない」、「長時間同じ場所に留まらない」などの観察マナーを守りましょう。みんなで地域本来の自然を大切にしていきましょう!

ホオジロ ノスリ
ホオジロ:地帯別危惧(左)、ノスリ:準絶滅危惧2型(右)

ヒクイナ イソシギ
ヒクイナ:絶滅危惧1A類(左)、イソシギ:絶滅危惧2類(右)