大池自然再生日記10・11・12月号
令和7年10月26日 今年最後のアメリカザリガニ駆除と湿地のガマ刈り
この日は上尾水辺守の体験参加の方が4名もきてくれました。そんな皆さんと今年最後のアメリカザリガニの駆除作業を行いました。この日もアメリカザリガニがたくさん捕れたので、まだまだ続けたいところではありますが、湿地の植生管理も生物多様性の保全をするうえでは重要な作業になりますので、アメリカザリガニの捕獲作業は来年の春までお休みです。捕獲されるアメリカザリガニが小さくなってきているので、少しづつですが駆除作業の成果が出てきているように感じます。
午後は前回に紹介した湿地のガマ刈りの続きです。この日もみるみるとガマがなくなっていき、全体の8割ぐらいの範囲で刈り取りが終わりました。この湿地の刈り取りが終わったら大池のガマ刈りにもトライします。11月からは、市民協働イベントでもこのガマ刈りを行います。池に入れる数少ない機会になりますので、興味のある方は是非参加してください。
雨が降っていましたが、みんなで協力して捕獲作業を行いました。

刈り取り担当と運搬担当に分かれて、協力して作業を進めます(左)、前回よりも広い範囲のガマが刈り取れました(右)
令和7年10月10日から12日 水生生物調査と水槽展示で外来種防除の普及啓発
この3日間は年に1回の水生物調査でした。この調査はかいぼり前から同じ方法で行っており、自然再生活動によって水生生物がどのように変わっているかを確認するモニタリングとなります。調査には、いつものアメリカザリガニ用の罠ではなく、張網という小型の定置網を使うので、1日目は設置のみ、2日目は回収・計測と別の場所に再設置、3日目は回収・計測と3日がかりの調査となります。上尾水辺守の皆さんは張網の設置も回収・計測も手慣れたものです。カイツブリやトンボのヤゴの餌となる水生生物が多くなっている印象で、モツゴが928匹、スジエビが874匹、ギンブナが76匹でした。
それとこの時期は公園の来園者が増えるため、水生生物調査で捕獲した生物を水槽展示して、外来種防除の普及啓発を行いました。水槽を見ていただいた方に、「外来種がいると在来種が食べられたりする影響があるため、生態系を豊かにするために外来種を減らす取り組みを市民ボランティアの皆さんと一緒に取り組んでいる。」ということを解説しました。
また、来月からは湿地保全の市民協働イベントを企画しています。そこで、上尾水辺守の皆さんに先行してイベントで行うガマ刈りをトライアルで実施していただきました。この場所は、もともと人工池だった場所を湿地に再生している場所で、2年がかりで池底のシートをはがしています。今回は水辺守の皆さんに、シートをはがし済みの範囲のガマ刈りを行っていただきました。シートがないと泥が深くて、歩くのも大変ですが、さすが水辺守の皆さんはそんな中でも手際よくガマを刈り取って、陸側に水揚げしていました。さすがとしか言いようがないです。皆さんお疲れさまでした!
張網でとれた生物をタライに入れて、網を回収します(左)、種類、数、代表種の体長を計測します(右)
水槽展示で外来種防除の普及啓発をしました(左)、上尾水辺守の皆さんの「ガマ刈り」は職人技です(右)

