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大池自然再生日記7・8月号

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年8月30日更新 ページID:0373189

令和6年8月25日

 今年の8月は暑い日が続いたため、市民参加型イベントの「みんなで水辺守 アメリカザリガニ駆除編」はお休みしてました。しかし・・・、上尾水辺守の皆さんには、暑さにも負けずに活動いただきました!イベントは開催していませんが、アメリカザリガニとアカミミガメの駆除作業は、週1回のペースで実施しました。また、その日の天候なども見ながら、令和4年度に市民の皆さんや大宮公園で自然再生に取り組んでいる市民ボランティアの大宮池守の皆さんと協働して再生した湿地の草刈りを行いました。湿地には背丈の高い草が繁茂していたため、湿地の陸地化をさせないために、草を運び出しました。数日の作業で水たまりが見えてきたので、このような場所を好む生物が集まってくると思います。ちなみに、シオカラトンボはたくさん飛んでいました!
 「みんなで水辺守 アメリカザリガニ駆除編」​は9月から再開します。興味のある皆さんは是非参加してください。事前予約制に変更になりましたので、御協力をよろしくお願いします。

上尾水辺守の皆さんと力を合わせて、湿地の草刈り中 刈り取った草は集めて湿地の外に持ち出します
上尾水辺守の皆さんと力を合わせて湿地の草刈り中(左)、刈り取った草は湿地の外に持ち出します(右)

半日の作業で山盛りの草が持ち出されました 部分的にでも湿地の水たまりが見えてきました
​半日の作業で山盛りの草が持ち出されました(左)、部分的にでも湿地の水たまりが見えてきました​(右)

アメリカザリガニとアカミミガメの駆除作業も継続しています
アメリカザリガニとアカミミガメの駆除作業も継続しています​!

令和6年8月12日

 毎日暑い日が続いていますが、大池ではカイツブリが子育てをしています。先週には今年2回目の繁殖となる小さいヒナも確認されています。みんな元気に育ってほしいですね。カイツブリが巣を作って、子育てをするには抽水植物などの水草が欠かせません。昨年度より池の水位を下げたことで、今年もガマなどの抽水植物がどんどん増えています。大池の北側から芝生広場前までは水深が低くなったので、池底から生えているガマが拡がっています。
 それと比較すると昨年度新しく造った浅場は、マコモが生え始めてはいますが抽水植物がまだ少ない状況です。でも、上尾水辺守の皆さんが春先に園内の湿地の泥や水草を移植してくれたおかげで、水草が生えてきています。こういう所も、もう少し水草が増えるとカイツブリの営巣に使ってもらえると思うので、来年は楽しみです。
 夏になって、池の水質としてはきびしい季節になっています。今年はアオコ以外にもアカマクミドリムシも発生してて、風などで吹き寄せられるとあまりよい景観ではありません。このような水面に浮いている植物プランクトンも先程紹介したガマ群落の中に入ると茎などが障害物になって水中に沈んでしまうこともあります。発生は部分的ではありますが、このような状況がもとに戻るのは秋になるまで時間がかかると思います。

大池で子育てをするカイツブリ 芝生広場前のガマ群落はどんどん拡がっています。
大池で子育てをするカイツブリ。運がいいと親鳥がヒナをおんぶして泳ぐ姿を見ることができます(左)、池底から生えたガマがどんどん拡がっています。今年もこのガマ群落はカイツブリの営巣に利用されています(右)

新しい浅場にもマコもが生え始めています。 今年は水面に浮遊するアカマクミドリムシやアオコが目立ちます。
新しい浅場にもマコモが生え始めています。来年はカイツブリの営巣に使ってもらえるかもしれません(左)、今年は水面に浮遊するアカマクミドリムシやアオコが目立ちます。この時期は南風が多いので池の北側に集まることが多いです(右)

令和6年7月14日

 6月30日と7月14日に、令和5年度の市民参加型イベントにおいて、市民の皆さんと再生に取り組んだ湿地の保全作業を上尾水辺守の皆さんと一緒に行いました。侵略的外来種のアメリカセンダングサやセイタカアワダチソウ、在来の一般種の湿生植物などにより植物が繁茂しすぎてしまったために、草の刈り取りを行いました。湿地を「陸地化」させないために、刈り取った草はブルーシートに載せて、近くに止めてある軽トラックまで運びます。どちらの日も、軽トラックがいっぱいになるぐらいの草を刈り取っていただきました。
 写真のように湿地の一部が開けたことで、シオカラトンボなどのトンボ類が飛来するようになったり、キジの親子がエサを探しにきているのが7月28日に確認されています。部分的に人が手入れすることで、生物の生息環境が多様になります。そのことによって多様な生物が湿地に集まってきます。もとの背丈の高い植物を隠れ家としていた生物は別の草むらに移動しますし、湿地が開ければ、そのような環境を好む生物が集まります。どこでも同じような生息環境(生態系)にしないことが、生物多様性の保全や回復にとって大切です。このような活動ができるのも、上尾水辺守の皆さんの活躍があってのものです!

6月30日の刈り始めは、湿地が背丈の高い植物に覆われていました。 みんなで草の刈り込みを進めていきます。
​6月30日の刈り始めは、湿地が背丈の高い植物に覆われていました(左)、みんなで草の刈り込みを進めていきます(右)

草がそのままだと湿地が「陸地化」してしまうので、外に搬出します。 湿地が開けて水たまりが見えるようになりました。このあとシオカラトンボやキジの親子がやってきました。
草がそのままだと湿地が「陸地化」してしまうので、外に搬出します(左)、湿地が開けて、水たまりが見えるようになりました。

令和6年7月8日

 今年の3月より、公園内のアヒル池を湿地化する取り組みを進めています。アヒル池の上流には絶滅危惧種のミズアオイが再生した湿地があるため、ミズアオイが生息できる湿地環境を拡げることが目的です。アヒル池にはこの5月から泥の中の埋土種子から抽水植物が再生しています。その中に7株のミズアオイが確認されて、現在開花中です!最初にミズアオイが再生した湿地にも20株以上のミズアオイが確認できています。こちらはアヒル池よりも成長が遅くて、そろそろ開花が始まりそうな感じです。ミズアオイは一年草と言って、種だけで増える植物です。これからも上尾水辺守の皆さんと協働して、ミズアオイの生息しやすい湿地の再生を進めていきます。
 それと大池の北側の抽水植物帯では絶滅危惧種のオオヨシキリの鳴き声がしています。オオヨシキリは夏になると日本に渡来する渡り鳥で、ヨシなどの抽水植物が多い場所で営巣します。昨年から大池の水位を下げたことで、抽水植物がかなり増えた影響だと思います。これから営巣が確認できるかはわかりませんが、楽しみなニュースの1つです。
 それと大池の北側ではカルガモのひなが確認できます。親鳥が2羽のひなを連れて、子育て中です!非常にかわいいのですが、あまり近づきすぎずに観察してあげてください。

湿地化をしているアヒル池 アヒル池で開花したミズアオイ
湿地化をしているアヒル池(左)、アヒル池で開花したミズアオイ(右)

大池で初確認のオオヨシキリ 子育て中のカルガモ
大池で初確認のオオヨシキリ(左)、子育て中のカルガモ(右)