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大池自然再生日記5・6月号

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年6月21日更新 ページID:0368703

令和6年6月16日

 この日は上尾水辺守の皆さんと協働してアメリカザリガニの駆除と浅場や湿地の保全活動を行いました。この冬に多様な生物のすみかとして保全活動を行った湿地には、背丈が高くなるオオブタクサが繁茂していました。1時間にも満たない作業時間でしたが、リヤカーが山盛りになるほどのオオブタクサとセイタカアワダチソウを駆除しました。生物多様性を保全するためには、侵略的外来種の繁殖力の高さと定期的なメンテナンスが欠かせないことを改めて感じました。
 午後は浅場の草刈りで、こちらは在来種ですが、浅場全体に繁茂して倒れてしまっていたフトイなどを除去して、背丈が低い湿生植物が生育しやすい環境を整えました。その作業をしている途中に絶滅危惧種のニホンアカガエルを確認しました。大池では初確認です!大きさから判断すると、今年生まれのような感じでした。もしかしたら、未開園区域の湿地からやってきたのかもしれません。
 それと今年度は、大池でチョウトンボが見られます。令和4年度に10頭ほど確認されていましたが、令和5年度のトンボ調査では確認できませんでした。1年越しにお会いすることができて少し安心しました。

オオブタクサの駆除作業 作業後の再生湿地の様子
侵略的外来種はできるだけ根っこから引き抜きます(左)、湿地の入口を覆っていたオオブタクサがなくなりました(右)

駆除した山盛りのオオブタクサ 浅場の保全作業の様子
リヤカーに山盛りになるほどオオブタクサがとれました(左)、浅場を覆っていたフトイを除去して、光があたりやすくしました(右)

大池で初確認のニホンアカガエル 大池で確認されたチョウトンボ
大池で初確認のニホンアカガエル(左)、大池のチョウトンボ(右)

令和6年6月6日

 大池では4月に水を入れ始めてからすぐにカイツブリのつがいが確認されていました。でも大池の抽水植物帯が拡がったことで、営巣場所はわからないまま6月になりました。そうしたところ、カイツブリのヒナが2羽生まれているのが確認されました。かいぼりをして以来、5年連続です!ヒナが生まれて1週間ぐらいは、親鳥がヒナをおんぶしながら泳ぐ姿も見れることがあります。今年もまだまだ、ヒナが生まれることが期待されるので、是非、野生のカイツブリの子育てを見に上尾丸山公園にお越しください。
 それと令和3年度と4年度に湿地再生に取り組んだ未開園区域の湿地において、埼玉県レッドデータブック動物編2018で準絶滅危惧2型とされているハラビロトンボが確認されました。このトンボも、日当たりが良く抽水植物の多い池沼や湿地的環境に生息する種類です。ここでも市民の皆さんとの協働による湿地再生の成果が確認されました。湿地再生イベントに御参加いただいた市民ボランティアの皆さんに感謝です!

子育てをするカイツブリ 再生湿地で確認されたハラビロトンボ
大池で子育てをするカイツブリ(左)、再生湿地でハラビロトンボが5頭も確認されました(右)

令和6年5月26日

 5月19日から市民の皆さんにボランティアとしてアメリカザリガニの駆除に協力してもらうイベント「みんなで水辺守 アメリカザリガニ駆除編」が再開されました。アメリカザリガニは身近な生物ですが、元々この地域にくらしていた​在来種の生態系に深刻な被害を与える侵略的外来種とされています。令和5年6月からは条件付特定外来生物にも指定されたことで、お店での販売や家庭で飼育している個体などを野外に放すことが禁止されています。
 上尾丸山公園では2019年に大池のかいぼりをしてから、市民協働により地域本来自然の再生に取り組んでいます。公園の水辺を在来種の住みやすい自然環境としていくために、アメリカザリガニの駆除を続けていくことが大切です。このイベントは10月まで月2回のペースで開催していく予定です。生物とのふれあいだけではなく、アメリカザリガニによる生態系被害のことや外来種がいない水辺の自然環境のことなども学べるイベントとなりますので、興味のある方は参加してください!

イベントの様子 上尾水辺守の皆さんが色々なことを教えてくれます。
イベントでは捕獲罠にかかった生物の数を確認します(左)、ボランティアチーム上尾水辺守の皆さんが色々なことを教えてくれます(右)

令和6年5月5日 

 今年度も市民ボランティアの上尾水辺守の皆さんと協働による自然再生の活動が始まりました。条件付特定外来生物のアメリカザリガニやアカミミガメを駆除するための捕獲罠を設置したり、湿地管理作業を行っています。今年度は池の水の透明度の回復が早くて、4月から付着藻類が水面に漂っています。水草のガマが増えたことで、付着藻類が池の外に流れていかなくなったため、上尾水辺守の皆さんと一緒にガマ刈りを行いました。ガマはカイツブリの営巣場所となるため、カイツブリが巣づくりを始める前に行う必要があります。皆さんなれた手つきで根元からガマを刈って、池の外に持ち出しました。ガマは根っこから抜いていないため、時間がたつとまた生えます。そのぐらいには、付着藻類もなくなっていると思います。
 このようにガマが増えたことで、うれしいニュースもありました。かいぼりをしてから初確認のトンボが現れました。埼玉県レッドデータブック動物編2018で絶滅危惧2類となっている「ヨツボシトンボ」です。レッドデータブックによると抽水植物が生育するような環境に飛来するトンボとのことで、自然再生の成果と言えます。これからも市民ボランティアの皆さんと協働して、地域本来の自然を再生するべく活動を続けていきます。
 ちなみに、大池で毎年子育てをしているカイツブリは今年もつがいが確認されています。そのうちかわいい雛と会えると思います。

ガマ刈りの様子 ガマ刈り後の様子 ​
​ガマを刈って、水のとおり道を確保します(左)、手前に排水管があって、付着藻類が流れるようになりました(右)

アメリカザリガニの駆除作業の様子 浅場が水につかるように泥を掘りました
今年度もアメリカザリガニの駆除作業を継続しています(左)、浅場が水に浸るように泥を掘りました(右)
かいぼり後の大池で初確認のヨツボシトンボ
かいぼり後の大池で初確認のヨツボシトンボ