大池自然再生日記8・9月号
令和5年9月24日
今日は少し残念なお知らせです。昨年、数がかなり増えた絶滅危惧種のミズアオイですが、今年はほとんど花を見ることができませんでした。昨年と同じように、6月に上尾水辺守の皆さんと一緒に外来植物や陸生植物を除去した時には小さいミズアオイがたくさんあったのですが・・・その後、オンブバッタさんに葉を食べられてしまいました。少し残念ですが、自然界の食う・食われるの関係なので、気を取り直して、来年に向けて湿地整備を続けていきます!
次はうれしいお知らせです。9月になってから、カイツブリのつがいに新しいヒナが生まれました。今はたまに水にもぐる練習をするようになりました。最近は池の抽水植物が増えて、営巣がまったく確認できなくなってしまったので、ヒナが生まれておどろく感じです。観察や写真撮影は難しいけれど、自然が豊かになっているのはよろこばしいところです。
大池では赤トンボをよく見るようになりました。秋ですね!他にもシオカラトンボ、ギンヤンマ、コフキトンボなどが飛んでいました。この前は自然学習館でオニヤンマを見ることができました。暑さも一段落してきたところで、上尾丸山公園で自然観察などはいかがでしょうか。皆さんの御来園をお待ちしています!
8月上旬のミズアオイ湿地。湿地としてはきれいですが、ミズアオイがほとんどありません(左)、大池のカイツブリの親子。ヒナの「ピヨピヨ」という鳴き声がしたら近くにいます(右)
大池で見れるようになったナツアカネ(左)、自然学習館に飛んできたオニヤンマ・・・やっぱり大きいです!(右)
令和5年9月2日
浅場の抽水植物たちが、つる性植物や陸生植物に覆われてしまったため、8月の下旬から上尾水辺守の皆さんと一緒に浅場の刈り取り作業を行っています。中流浅場は、つる性植物の繁茂がすごかったので、すべて刈り取りをしましたが、南浅場のほうは抽水植物の根元に生えていたコナギという水草が顔を出しました。今年は南浅場のコナギがかなり増えています。水位を下げたことで、コナギにとって住みやすい環境になったのかもしれません。コナギは希少種のミズアオイの仲間で、ハート形の葉が特徴的です。毎年自然の状況が変わるのも面白いところです。上尾水辺守の皆さんのおかげで、よくなっている水辺を見に来てください!
作業前の中流浅場の様子(左)、真夏の暑い中で水辺守の皆さんに作業していただきました(右)
南浅場でかがんで作業をしていると、見えなくなってしまいます(左)、浅場がスッキリしてコナギが見えるようになりました(右)
令和5年8月6日
久しぶりの更新となります。上尾水辺守の皆さんと一緒にアメリカザリガニの駆除活動をする市民参加型イベント「みんなで水辺守」は引き続き開催しています。暑くても公園で元気に活動できる皆さんは是非参加してください。みんなで楽しみながら地域本来の自然再生に取り組みましょう!
今日は大池の水質のお話しです。毎年、この時期は猛暑になるため、水温もぐんぐん上がって、アオコなどが発生しやすくなります。しかし、今年は・・・例年よりも明らかに水がきれいです!5月と比較するとさすがに水はにごりますが、アオコなどの水面に浮くものが非常に少ないです。6月にお知らせしたとおり、今年は大池で水草を増やすために水深を下げています。その結果として、水草が増えたのと同時に、池の水の量が少なくなっているので、水の入れ替わる時間が、少しだけですが短くなっています。このようないくつかの理由が重なって、水質の回復につながっていると思われます。ちなみに増えた水草は、かいぼり後に上尾水辺守の皆さんが、浅場で埋土種子から再生したガマの仲間を池底に移植したものです。
最近の公園はほんとに暑いです!しかし、上尾丸山公園内には「上尾市自然学習館」があるので、公園に来た時は是非、涼みに来てください。かいぼりに関する展示もしているので見てくれたら嬉しいです!
暑くても「みんなで水辺守」は開催しています(左)、大池の中流に再生した抽水植物。アオコなどの浮遊物はほとんどないです(右)
大池上流の浅場と抽水植物(左)、暑かったら上尾市自然学習館に涼みに来てください(右)