大池自然再生日記8月号
令和2年8月28日
今日は、水鳥のお話しだよ。今、大池ではカルガモ、カワウ、カイツブリなどが観察できます。とくにカイツブリは大人の鳥が8羽、ヒナが2羽確認されているんだ。丸山公園の自然にくわしい人にお話を聞いたところ、「カイツブリのヒナが確認されたのは35年間見てきてはじめて!」とのことです。かいぼりで、ブルーギルなどの外来種がいなくなり、カイツブリのエサになる小さな魚が増えたことや浅場で水草が育っているためと考えられるんだ。それと、公園に遊びにきてくれるみんなが、かいぼり後の公園の利用ルールを守ってくれているから、人に敏感な水鳥にとって生活しやすい場所になっているのかもしれないね。
みんなも上尾丸山公園にきてくれれば、愛らしい水鳥たちに会えるかも!?しれないね。少し遠くから、水鳥たちを驚かせないように見守っていこうね!
大池北側の浅場でお休みするカルガモ(左)、大池南側の浅場でお休みするカルガモ(中)、大池のカイツブリ(右)
令和2年8月24日
こんにちは大池くんです!ほんとにあつい日がつづいているから、公園に遊びにきたときには、こまめに水を飲んだり、ひかげを歩くなどして、熱中症(ねっちゅうしょう)には気をつけてね。
自然学習館では大池や公園の湿地から持ってきた泥から、水草が再生するか観察しているんだけど・・・なんと!車軸藻類(しゃじくもるい)のシャジクモの仲間とフラスコモの仲間が再生したんだ。種類はまだわからないんだけど、車軸藻類は全体が水没している貴重な水草です。上尾丸山公園は自然が豊かな公園だけど、あらためて、貴重な自然が残っているんだなぁって思います。これからの水辺の再生も楽しみだね!
シャジクモの仲間(左)とフラスコモの仲間(右)
令和2年8月14日
8月10日に上尾市自然学習館の自然観察会のスペシャル企画として「みんなで水辺守 アメリカザリガニ駆除編」が行われたよ。この企画は、上尾水辺守の外来種駆除作業を一般の参加者の皆さんにお手伝いしてもらって、外来種が自然に与える影響を知ってもらうことを目的としているんだ。 水辺守のみんなが、池に設置してあるワナを回収して、一般の参加者にザリガニを数えながら、バケツに移してもらいました!
アメリカザリガニは、みんなに人気がある生き物なんだけど、北アメリカから持ち込まれた外来種なんだ。在来種の生き物を食べるだけではなく、水草を切り取ったりします。水草があった池にザリガニが入ることで、水草がなくなってしまったということも起きているんだ。お家でアメリカザリガニを飼う場合は、最後まで面倒をみてあげて、池や川にぜったいに放さないでね。
「みんなで水辺守」はこれからも開催していくので、興味のある人は、ぜひ参加してね!
令和2年8月7日
この時期になると大池の水が赤茶色に見えることがあります。これは、「アカマクミドリムシ」と呼ばれる植物プランクトン(水の中をただよいながら生活している小さな生き物)が大発生し、水面に浮いているからなんだ。植物プランクトンは光合成(こうごうせい)をすることで増えるんだけど、池に光合成をするために必要となる窒素(ちっそ)やリンなどの栄養分が多くたまっているとアカマクミドリムシが大発生することがあるんだ。
このような植物プランクトンは、それを食べるミジンコなどが増えていくと、少なくなると考えられます。でもミジンコたちは、モツゴなどの小さい魚に食べられたりもするんだ。ミジンコが池のなかで、小さい魚から隠れながら、安心して生活するためには、池に水草が必要なんだ。水草のなかでも植物全体が水に沈んでいる沈水植物(ちんすいしょくぶつ)があるとミジンコたちがより安心してくらしていけると言われています。
かいぼりをしたことで、沈水植物が再生するかもしれないんだけど、今のところ沈水植物は確認されていません。自然の再生にはもう少し時間がかかるみたいだから、みんなもこれからの大池を長い目で見守ってあげてね。
それと、アカマクミドリムシは水温が20℃から25℃ぐらいでたくさん増えるんだ。秋から冬になると活動が低下するから、水面に浮くことはなくなります。
水面が赤茶色に見える大池(左)、大池のアカマクミドリムシ(顕微鏡で400倍)(右)