ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 教育委員会 > 「上尾の摘田・畑作用具」が国重要有形民俗文化財に指定されました

「上尾の摘田・畑作用具」が国重要有形民俗文化財に指定されました

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年3月11日更新 ページID:0270803

令和3年3月11日(木曜日)付の文部科学省告示第二十八号により、正式に国の「重要有形民俗文化財」に指定されました。

上尾市内では初となる国指定文化財であり、全国では224件目、埼玉県内では9件目の重要有形民俗文化財となりました。

 

上尾の摘田・畑作用具について

文化財の概要

本文化財は、上尾市域の台地部において、稲の直播(じかま)き栽培である「摘田(つみた)」と、麦やサツマイモなどの畑作に使用された総数750点からなる農耕用具のコレクションです。昭和50年代から上尾市教育委員会が収集を進めてきたもので、稲作や畑作の一連の作業に使用された用具が網羅されています。
 

「摘田(つみた)」とは?

上尾市のほぼ全域は、関東平野の中で島状に発達した大宮台地に位置しています。台地上の農業は畑作が中心で、主要作物は秋から春にかけて栽培される大麦・小麦で、他に、春から秋にかけてサツマイモ、陸稲、大豆などが栽培されていました。このように畑中心の上尾市域で行われた稲作の特徴であったのが、「摘田」とよばれる直播きの栽培方法です。

一般的に田植えによる稲作が知られていますが、摘田は、種籾(稲の種子)を田に直接まいて稲を生育する稲作法です。台地上に立地する上尾市では、用排水路の整備が難しかったため、低湿地での摘田による米作りが伝統的に継承されてきました。現在では、水田開発や農業技術の進歩によって、摘田は行われなくなりましたが、上尾市域では昭和40年代頃までと、他地域と比較し最近まで摘田が続けられていました。
 

重要有形民俗文化財指定について

重要有形民俗文化財は、「衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術およびこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの」とされています。

「上尾の摘田・畑作用具」は、台地上の農業経営や畑作地域における稲作の地域的な様相を知ることができるコレクションであり、日本の稲栽培や農耕文化を理解する上で特に重要であると評価を受け、国指定重要有形民俗文化財となりました。

 

上尾の摘田・畑作用具
摘田・畑作用具の一部

摘田用具
摘田用具の一部

畑作用具
畑作用具の一部

 

上尾の摘田 映像記録

平成21年度に摘田技術保存会によって『上尾の摘田 直播による伝統的な稲作の記録』が制作されました。

摘田による稲作を再現した記録映像となっており、あげお文化遺産ガイドで公開しておりますので、ぜひご覧ください。

文化遺産ガイド  あげお文化遺産ガイド摘田

 

【大好評】上尾の摘田・畑作用具を紹介する書籍を販売中です!

上尾市文化財調査報告第114集 「上尾の摘田・畑作用具」資料調査整備事業報告書

平成29年度から平成31年度の3か年に渡って実施した資料調査整備事業の成果をまとめたものです。上尾の摘田と畑作に関する論考や作業工程と用具の紹介、写真実測図などが掲載されています。

判型:A4判
頁数:342ページ(映像記録および実測図を収録したDVDが附属しています)
価格:1,600円

tsumit

 

「上尾の摘田・畑作用具」 図録 ―暮らし支えた農具たち ―

平成28年に「上尾の摘田・畑作用具」が国の登録有形民俗文化財に登録された際に実施した展示会図録です。個々の用具をわかりやすく紹介した冊子となっております。

判型:A5判
頁数:96ページ
価格:780円

図録書影

 

お求めの方法

●上尾市役所1階「情報公開コーナー」にて、他の文化財関係書籍とともに販売を行っております。

●郵送による購入を御希望の場合は、代金と送料を現金書留か、代金分の定額小為替と送料分の切手を、生涯学習課文化・文化財保護担当まで送付してください。書籍により送料が異なるため、担当までお問い合わせください。