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上尾の寺社 19 日乗院(柏座) 

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年3月1日更新

市指定文化財の中世仏画「絹本着色不動明王図」と古い草創伝承を有する大寺

 「ぐるっとくん」を春日2丁目の「保健センター前」で下車し、西へ50メートルほど歩き左折して100メートルほど南下すると、左側前方の丘陵上に目指す日乗院(にちじょういん)本堂の大屋根が見えてくる。山門に達するには、屋根つきの長大な塀沿いを200メートルほど南下し、また左折して100メートルほど東へ歩くことになる。山門前の2基のお地蔵さんに迎えられ本堂に参拝することになるが、十数年前に再建されたとはいえ、古色を残した大伽藍(がらん)は辺りを圧するように丘陵上にそびえ立っている。
 日乗院は西光山長福寺と号する新義真言宗の寺院で、江戸時代には将軍から寺領10石の朱印状を与えられている。本尊は十一面観音であるが、寺院は元暦2(1185)年、道法上人の草創と伝えられる。この年は壇ノ浦で平氏が滅亡した年なので、大変古い時代の創立ということになる。また、法印円作という上人が永正元(1504)年に起立したとも伝えられ、この年は戦国時代中期に当たるので、これまた古い草創伝承ということになる。同寺は江戸時代には大谷領と称された地域で、11カ村にわたり13カ寺の末寺を配下にしている。この中には、現さいたま市に属する別所村に2カ寺、奈良瀬戸村に1カ寺、現桶川市に属する町谷村に1カ寺があり、残りは上尾市域の村々である。多くの末寺を抱えていたことは、近世初期に日乗院が大寺の威容を誇っていたことを示している(『新編武蔵風土記稿』・『上尾市史』第9巻)。
 日乗院には多くの仏像が蔵されているが、本尊の十一面観世音菩薩立像は寄せ木造りで、市指定文化財になっている。像高90.6センチメートル、頭上の阿弥陀如来と正面の化仏は失われているが、二臂(ひ)で右手は垂下し、左手は蓮華(れんげ)を挿した水瓶を執っている。宝冠や持物は造立当時のものではなく、後に付け加えられたものであるが、像本体にある墨書銘から、享保4(1719)年に仏師藤原吉典により制作されたことが明らかになった。江戸時代の作であるが、鎌倉様を受け継ぐ均整のとれた美しい仕上がりとなっている。また、同寺の住職星野家には、絹本着色不動明王図という絵画が所蔵されており、これも市の指定文化財になっている。縦122センチメートル、横53センチメートルで、作者は不詳であるが室町時代の作と推定され、中世仏画は市内にはわずかしか残されていないので、大変貴重なものである(前掲書・『上尾の指定文化財』)。

日乗院

日乗院の本堂

日乗院の境内。奥に本堂を望む

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