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上尾の寺社 9 龍山院(上) 

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年3月1日更新

樹齢300年の威容を誇るムクロジ

 「ぐるっとくん」を「しらこばと保育所前」で下車し、住宅地を東南に100メートルも歩くと、視界が開けて眼前に龍山院本堂の大屋根と天をつく大木が飛び込んでくる。この大木が、市の指定文化財にもなっている「むくろじ」である。大屋根と大木を目指して、畑の中の細い道を150メートルほど歩くと、もうそこは龍山院の山門である。
 龍山院は真言宗の寺院で、慈雲山観音院と号している。開山(かいさん)の大徳賢律師は長禄元(1457)年示寂なので、同寺の創建はそれ以前ということになる。また一説には、同師は中興の祖ともいわれ、これに従えば創建はもっと古い時代となる。本尊は十一面観音であるが、同寺には現在3躯(く)の十一面観音があり、いずれも江戸時代作の寄せ木造りである。多くの仏像が蔵されている中で、聖観音菩薩座像は室町時代作であるが、ほかは江戸時代から近代にかけての作である(『新編武蔵風土記稿』・『上尾市史』第9巻)。
 江戸時代には寺社への参詣が盛んになり各地に札所が創設されるが、昌福寺の項で紹介した新秩父札所では、11番が龍山院となっている。札所縁起には「十一面大士、坐像一尺四寸五分、春日之真作」と記され、詠歌「慈悲の雲たなびき?(そそぐ)竜の山 上村よりも富ぞ弥増(いやます)」が添えられている。また文政3(1820)年には、足立・埼玉郡下に「新四国札所」が設けられているが、龍山院は59番目の札所になっている。四国88カ寺の第87番長尾寺(香川県長尾町)を模したもので、縁起には長尾寺の詠歌が記されている。これらの例からも、近隣での寺参りが当時盛んであったことが知られる(『上尾市史』第3巻・『蓮田市史』近世資料編1)。
 山門をくぐり本堂へ参詣することになるが、それにしても「むくろじ」の大木は見事である。ムクロジは落葉樹で、6月ごろ開花し実を結ぶが、案内板には樹齢約300年と記されている。寺伝では第13世の覚本和尚が、正徳元(1711)年に諸国巡礼を記念して植えたという。このとき桜とカヤも植えられ、カヤは現在も残っているが、桜は昭和7年に倒木したといわれる(『上尾の指定文化財』)。
 境内地の西方に歴代住職の墓所があるが、祐戒法印の墓碑は「筆子塚」である。和尚に教えを受けた人たちが寛政13(1801)年正月に建立したもので、「筆子中」の文字が鮮やかに刻まれ、遺徳をしのんでいる。

龍山院

龍山院境内の写真

龍山院の境内。左手前が市指定文化財の「むくろじ」

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