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議第30号議案

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年9月16日更新 ページID:0002479

行政刷新会議の事業仕分けによる都市再生機構の見直しに当たり、UR賃貸住宅の公共住宅としての継続及び居住者の居住安定策の確立を求める意見書

 平成22年4月26日に行われた行政刷新会議の独立行政法人に対する事業仕分けでは、私たちの住む団地の大家である都市再生機構について、各事業を「縮減」し、賃貸住宅事業は「高齢者・低所得者向け住宅の供給は自治体または国に移行、市場家賃部分は民間に移行する方向で整理する」とされた。しかし、既にすべてのUR賃貸住宅には市場家賃が設定されており、継続居住者の家賃は3年ごとの見直し・値上げで市場家賃化が図られてきている。今回のこの仕分けは、すべての賃貸住宅の民間移行(民営化)に道を開くものである。また「高齢者・低所得者向け住宅を自治体または国に移行する」ことは、本市の実情からみて、政府がいまの住宅政策を大転換しない限り実現不可能だと思われる。この仕分け結果は、76万戸、2,000万人近いUR賃貸住宅居住者の生活実態を無視するものと言わざるをえない。
 事業仕分けを受けて国土交通省は「独立行政法人都市再生機構のあり方に関する検討会」で検討を進めてきている。そのとりまとめにもとづいて、都市再生機構と賃貸住宅を今後どうするのかの方針を決めることになる。
 本市内には、5団地9,596戸のUR賃貸住宅があり、19,000余名の市民が生活しているが、いずれの団地でも高齢化が進み、収入面でも公営住宅階層が大多数を占めるようになっている。そうした世帯の大半が今の団地での永住を希望しており、団地はかけがえのない生活の拠り所となっている。また、長年にわたる居住者の自治会活動などにより、地域コミュニティが成熟し、お祭りをはじめ様々な行事が行われ、団地だけでなく地域のまちづくりに積極的な貢献をしている。
 日本住宅公団以来半世紀にわたって築き上げ、蓄積してきた公団住宅・UR賃貸住宅は、わが国における、そして本市においても、かけがえのない公共賃貸住宅資産となっている。団地管理のノウハウや無数の居住者たちが携わり形成してきたコミュニティ活動は、世界に誇るべきものである。政府がUR賃貸住宅を今後とも国民のための公共住宅として、適切な管理組織とシステムの下で維持・継続させる政策を推進することが求められている。
 現居住者の実態と国会での「都市再生機構法案に対する附帯決議」(平成15年5月)をふまえ、UR賃貸住宅がいま果たしている役割と、今後「住宅セーフティネット」の一翼として果たすべき役割を明確にして、UR賃貸住宅を公共賃貸住宅として存続させ、居住者の居住の安定のための施策を推進することが不可欠であると考える。
 また、これからの日本を背負う若い世代にとっても、安心して入居し、住み、子どもを育てられる公共賃貸住宅が是非とも必要であり、それはUR賃貸住宅の重要な役割であると確信している。
よって国及び政府においては、UR賃貸住宅の公共住宅としての継続及び居住者の居住安定のために下記事項について強く要望する。

1.独立行政法人都市再生機構の見直しにあたっては、76万戸超の賃貸住宅を、政府の責任のもとでの適切な組織と管理システムによる公共賃貸住宅として継続させること。
1.国会の総意である「都市再生機構法案に対する附帯決議」とUR賃貸住宅の「住宅セーフティネット」としての法的な位置付け、並びに居住世帯の生活実態を踏まえ、家賃制度について、高齢者や子育て世帯等も安心して住みつづけられる制度に改めるため検討し実施すること。
1.都市再生機構が計画しているUR賃貸住宅の再編(売却・削減、民営化等)及び定期借家契約導入等の諸方針を根本的に見直し、国民が要望する新たな公共住宅再生・発展の政策を立案・実施すること。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成22年9月16日

上尾市議会

平成22年9月16日

提出者 上尾市議会議員 秋山 もえ 
賛成者 上尾市議会議員 長沢 純
賛成者 上尾市議会議員 田中 守
賛成者 上尾市議会議員  伊藤 美佐子
賛成者 上尾市議会議員  武藤 政春
賛成者 上尾市議会議員 秋山 かほる