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議第17号議案

印刷用ページを表示する 掲載日:2008年6月25日更新 ページID:0002346

ミニマムアクセス米の輸入停止を求める意見書

 現在、トウモロコシ、大豆、小麦などの輸入穀物を原料とする食品の値上がりや、飼料穀物が思うように確保できない事態が生まれ、食料自給率がカロリーで39%、穀物で27%という中で国民に大きな不安が広がっている。
 米や穀物の価格高騰は、全世界に深刻な影響を及ぼし、フィリピンやインドネシアなど多くの国で暴動が起き、ハイチでは首相が解任されるなど深刻な事態となっている。国連のパン・ギムン国連事務総長は「かつては1日3食とれた家庭でも2食か1食に減らさざるをえなかった」と、新たな飢餓の広がりに重大な懸念を示し、問題解決のための支援を呼びかけている。7月に北海道・洞爺湖で開催される「G8」(主要国首脳会議)でも、環境問題とあわせて食料問題の解決が重要なテーマになる。
 食料不足、食料高騰の原因は、原油の高騰、地球の気候変動による生産の不安定化、途上国の経済成長・人口増に伴う需要の急増、世界的なバイオ燃料ブームによるトウモロコシの爆発的な需要増、ヘッジファンドなど大量の投機資金が穀物市場に流れ込んでいることにある。
 このように、原因が複合的で構造的であるだけに価格高騰の長期化は避けられず、今後、影響はさらに深まることが懸念されている。
 現在、国民が食べることを望まないミニマムアクセス米が毎年77万トンも輸入されている。政府は今年度、飼料用に70万トン振り向ける計画といわれている。この量は、米不足に苦しむフィリピンが緊急に手当てを必要とする米の量に匹敵するもので、人道上も許されるものではない。
 また、日本が不必要なミニマムアクセス米の輸入を継続することは、国際的な価格の高騰を助長することにならざるをえない。その一方で、国内では「生産過剰」が米価下落の原因であるとして、生産調整が拡大・強化されており矛盾は明らかである。
 政府は、輸入があたかもWTO農業協定上の「義務」であるかのようにいうが、本来、輸入は義務ではなく「輸入の機会を提供する」というものにすぎない。
 今や自国の食料自給に責任を負うことがその国の固有の権利=「食料主権」という考えは世界の大きな流れとなっている。
 国際的に米や穀物の供給がひっ迫し価格が高騰するという食料事情の急変のもとで、従来の枠組みにとらわれることのない対応が求められている。
 よって、国及び政府においては、ミニマムアクセス米の輸入を一時中止し、制度の見直しをWTO交渉の場で強力に働きかけることを要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成20年6月25日

上尾市議会

平成20年6月25日

提出者 上尾市議会議員 武藤 修 
賛成者 上尾市議会議員 池野 耕司 
賛成者 上尾市議会議員 平野 佳洋