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議第15号議案

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年12月25日更新 ページID:0358144

介護従事者の処遇改善を求める意見書

 介護保険制度は2000年、「社会で支える介護」を掲げて創設され、今年で23年が経過した。この間、政府によって社会保障費予算の自然増が毎年、数値目標を決めて削減され、介護報酬の連続削減、利用料1割負担の2割・3割への引き上げ、介護施設の食費・居住費の負担増、要支援1・2の訪問・通所介護の総合事業への移行、要介護1・2の特別養護老人ホーム入所者が必要な介護サービスを利用できない実態が広がっている。このため、家族の介護のために仕事を辞める「介護離職」は年間10万人に上っている。
 一方、介護事業所では、深刻な人手不足と低い介護報酬のもとで経営難が続いており、コロナ禍と物価高騰はこうした事態を一層加速させている。
 政府は、「世代間の偏りのない社会保障」を実現するとして利用料負担の原則2割化、ケアプラン・多床室の有料化、要介護1・2のサービスの介護保険給付からの切り離しなどを目指しているが、各項目について厚生労働省の社会保障審議会でも委員から反対意見が出るなど、専門的な視点から見ても問題があると言わざるを得ない。
 行き届いた介護を実現するには、社会保障費予算を大幅に増やし、介護保険制度の抜本的な改善と介護従事者の大幅な処遇改善を図ることが何よりも必要である。
 よって、国及び政府においては、憲法25条に基づいた「介護の社会化」の実現を図るため、以下の対策を講ずるよう強く要望する。

1 必要なときに必要な介護が保障されるよう、介護保険料、利用料、居住費・食費の負担軽減、サービスの拡充など、介護保険制度の抜本的な見直しを図ること。

2 利用料2割負担の対象者拡大、要介護1・2の総合事業への移行など、介護保険の利用に新たな困難をもたらす見直しを行わないこと。

3 介護報酬を大幅に引き上げるとともに、サービス利用に支障が生じないよう利用者負担の軽減を図ること。

4 全ての介護従事者の給与を全産業平均まで早急に引き上げるとともに、人員配置基準を引き上げることで介護従事者を増やし、1人夜勤の解消を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和5年12月25日
                         上 尾 市 議 会
 令和5年12月25日
 提出者 上尾市議会議員 新藤 孝子
 賛成者 上尾市議会議員 轟 信一
  〃     〃    鈴木 茂