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上尾歴史散歩313 上尾の祭り囃子~伝統の鼓動と響き~

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年3月30日更新

上尾の祭り囃子〜伝統の鼓動と響き〜

上尾市域では、夏から秋にかけて行われる祭りの際、祭り囃子が演奏される事例が多い。この祭り囃子は、江戸時代後期に江戸やその周辺地域で、主として神楽囃子から編み出された葛西囃子が起源とされ、祭り囃子の盛んに行われた神田祭との関連から神田囃子が分派するなど広がりをみせた。この葛西囃子・神田囃子はさらにその周辺地域に伝播するが、上尾市域の祭り囃子もこの系統のものである。
この囃子は、ツケと呼ばれる小太鼓が二つ、タマと呼ばれる大太鼓が一つで、これに笛が1人、摺り鉦が1人、合計5人編成で構成される。基本的に笛の旋律で囃子は展開し、これにツケがリズムを刻んでいく。タマは「ツケの間に入れていくもの」とされ、基本的な打ち方はあるが、叩き手の器量で叩く数を抜いたり増やしたりする。
祭り囃子を演奏する形態として、最もよく見られるのが「山車」に乗って演奏する形である。7月中旬の日曜日に開催される上尾夏まつりでは、宮本町、仲町、愛宕の3町内が山車を出すが、これには仲町、愛宕では自分の町内の囃子連が、宮本町の山車には中平塚の囃子連がそれぞれ乗って、祭り囃子を演奏している(写真1)。市内各地区では、かつて山車を持っていた地区も多いが、現在はトラックの荷台にしつらえをして囃子連が乗り、祭り囃子を演奏する事例も多い。
一方で、祭礼日に神社の境内に櫓を組んで、その上で演奏する事例もある。平方の橘神社の秋祭りでは、現在でも上宿や新田が囃子櫓を組み、その上で祭り囃子を演奏している。また、藤波・天神社や畔吉・諏訪神社の秋祭りでは、それぞれ「ささら獅子舞」が上演されるが、藤波は浅間台囃子連に、畔吉は小敷谷囃子連にそれぞれ祭り囃子の演奏を依頼している。二つの囃子連では、囃子櫓を所有しており、それぞれの境内に櫓を組んで、祭り囃子の演奏を行っている。
平方上宿で行われる「平方祇園祭のどろいんきょ行事」では、武州平方箕輪囃子連が「どろいんきょ」を盛り上げるようにして祭り囃子を演奏している。ここではタカウマに太鼓をセットして移動しながら演奏を行っている(写真2)。このタカウマは、平方新田の囃子連でも使用されている。
(上尾市生涯学習課)

 


上尾夏まつりでの山車

【写真1 】上尾夏祭りでの山車

 

武州平方箕輪囃子連

【写真2】タカウマによる囃子の演奏(武州平方箕輪囃子連)

 

 

コラム 堤崎流祭りばやし

 

昨年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産の一つとなった川越祭では、各町内の山車に、本来周辺の農村地域の祭り囃子の囃子連が招かれて演奏してきた。祭り囃子にはさまざまな流派があるが、川越祭の場合、その流派は大きく王蔵流、芝金杉流、堤崎流の三つに分けることができる。王蔵流は川越市中台、芝金杉流は川越市今福がその発祥であるが、堤崎流は上尾市堤崎の「堤崎の祭りばやし」が発祥である。
堤崎流の祭り囃子は、堤崎の吉澤菊次郎が、明治初年の木ノ下流の祭り囃子を改良して編み出したものと伝えられ、川越も含め近隣の地域に広く伝えられていった。川越祭では、長年にわたって幸町の山車に堤崎の祭り囃子が招かれて演奏してきた。近年では、堤崎が幸町に祭り囃子を伝授して、幸町囃子連を結成して祭りの際に演奏している。こうしたことから、幸町の山車には、現在でも「堤崎」の提灯を掛けて山車の巡行を行っている(写真3)。(上尾市生涯学習課)

堤崎の提灯が掛けられた川越幸町の山車

写真3 堤崎の提灯が掛けられた川越幸町の山車