華麗に、鮮やかに突き抜けた。中澤和志（４８＝埼玉）が、６コースからまくり差しで抜け出し、３月多摩川に次ぐ今年２回目、通算８１回目、戸田１９回目の優勝を飾った。１号艇の佐藤翼が悔しい２着。秋元哲が３着に入り、３連単は４万円台のビッグ配当になった。 　絶好展開を見逃さなかった。内中枠の４艇がゼロ台スタート。中沢は同11だったが、５コースの島田賢人が大きく後手に回った。しかも、スロー勢が握り合い、ぽっかりと差し場が開けた。「スタートした瞬間、展開はありそうな気がした」。冷静に内側の戦局を読み、持ち前のシャープなハンドルを送り込んだ。「（勝因は）展開でしょ。でも回り足はだいぶ良くなってたね」。大技を決めてもたんたんと、いつものようにレースを振り返った。 　次節の戸田で、娘の英里（えり、19）がデビュー戦を控える。その娘へ、お手本となる絶妙なレースを見せたものの、「そううまくはいかないよ。まあ、事故、フライングをしないようにね」と親心をのぞかせた。自らの次走は戸田マスターズリーグで、地元は連続あっせん。「また来るから」。今後も力まず、自然体で、周囲に刺激を与える。